夫の脳梗塞をきっかけに
(OTさん)
2013/9月

 

 老境に入り、夫婦の健康を模索して

 

                       2013年4月入会

 

 教室に通い始めて早や半年近くが経とうとする頃、帰りがけに、岡田先生から、「教室に通って来て何か変化した事がある? 痩せたでしょう?」と声をかけられ、「はい、夫婦で3〜4キロ位やせました」と答えた。 

その後、教室に通い始めてからの変化について、色々と思い返してみた。当初は慢性蕁麻疹の薬を時折飲んでいたが、次第に間遠になり、今は飲む必要がない事と、夫が以前よりも元気になったように感じられる事を挙げることができる。だが、一番大きな変化は、食事に対する私の心構えや心境が変化したことだと思う。

玄米を主体とした食事をよく噛んで、消化から代謝までが滞りなくはかどるよう適量を食べることで、排泄が自然に促されるようになった。岡田先生が最初の頃に言われた言葉、「先ず、排泄の方が大切ですよ」、その言葉は、今も私の心の奥に響き渡っている。それまでの私は、身体によい栄養を、病気を治すのによい栄養を、摂ることを目指した食事作りを目標にしていたように思う。排泄でさえ、繊維質という栄養素を摂ることで排泄を促そうとしていた。

恭子注:私が皆さんにお伝えする最初のことは…
「入れることより出す方が先」
長年、栄養学でしっかり家族のためにと思って料理してきた優等生の主婦ほど、このことが苦手です。病気治しのためにどの栄養を摂るといいか、とすぐ考えてしまう癖を持っています。
そうではなく、今まで溜めてきた体内の毒素を出せばほとんどの病気は治ると言っても過言ではありません。

 長い間、私は、身体の機能を機械と同一視していたのではないだろうか? 身体に必要な物を供給しておけば、身体は機械のようにスイッチオンして新しい細胞を作り出してくれると、そんなズボラな考えで食事作りをしてきたのではないだろうか? 教室に通い始めて、身体は私たちが考える以上に精妙で、神聖ないのちであることに気付かされた。それが、食事に対する私の心境や心構えに、変化をもたらした。

今、私がモットーとしている岡田先生からの請け売り或いは由来の言葉を書くと、

調理場は、神聖な場所であって、いつも清潔に

野菜や穀物の生命の一物全体を感謝して調理し、いただくこと

よく噛んで消化から代謝までが滞りなく捗るように適量を食べること

 

 私は30年前に、マクロビオティック食について、桜沢如一氏の著書を読んで漠然と知っていた。玄米菜食を主体として、身土不二の食材を使い、一物全体食を心掛けるという事を、自己流に我が家の食事に取り入れて、私自身蓄膿症が治ったことがある。だが、一病が治ると、楽しむ食事に変わり、そして又家族が病を得ると食事を反省しと、振り子のように揺れながらの食事作りだった。

教室に通い始めて時が経つにつれて、私自身が勝手に想像してその一端を取り込んでいると思っていた自己流マクロビオティック・クッキングは余りにも雑で、絵に乱雑に描いた餅のような物にすぎなかったと、今思う。

 岡田先生が長年に渡って地道に検証してこられたマクロビオティック食、そのクッキング法は、長年の深い叡智にはぐくまれ精妙なエネルギーにあふれた具象的な食事作りだった。それは、食材を計り、洗って、切る動作から始まり、調理法は勿論、食器を洗う洗剤の扱い方、食器や道具類のしまい方にまで全般に行き渡っていた。

 

 昨年11月に二度目の脳梗塞を大脳の末梢血管に発症した夫は、教室への入会前には、幸いにもほぼ通常の生活に戻っていたが、丸一日家をあけて教室に通うことには不安があった。それでも、夫の入院中に書店で目に留め、中身をザーッと読んでとても中身の濃い本であることを知って購入した「ハッピーマクロビオティック教室」、その教室でオーソドックスなマクロビオティック食を学んでみたいという気持ちは、日増しに高まり、それに加えて、夫のいつもの口癖「自分の思う通りにしなさい」、「僕は大丈夫だから」という言葉に背中を押されるようにして通った半年間だった。

 

 基礎科前期を終了するに当たって、この半年間教室で学んだことを日々思い出しながら、これからの我が家の食事作りに積極的にしっかりと取り込んでいきたいと、決意を新たにしている所です。

 生まれて初めて通った料理教室で、大きな学びを得ることができました事を、岡田先生に深く感謝申し上げます。

 又、不器用でヘマばかりして迷惑を掛け続けた年取った私を、いつも助けて下さったクラスメートの皆様方にも深く感謝申し上げます。

 

 最後に、岡田先生の勧めにより、備忘録として我が家の食生活の変遷の記録を書き加えます。将来、私自身が我が家の食事について再考する際の参考となるように。

 

1、教室へ通う前の食事

玄米ご飯又は発芽玄米ご飯を食べてはいたが、ご飯対おかずが、3対1の理想的な割合とはかけ離れて、ご飯を少な目に、副食を多目に食べていた。

恭子注:副食を食べすぎは私達現代人のフツーの感覚です。一番、皆さんに強調するのは、主食を主に、副食は主食を越えないようにしてください。

昼食、晩ご飯共に、魚又は肉又は卵を使った料理を献立の一品にしていた。青菜は、なるべく献立に加えるよう心掛けていた。塩分、砂糖を控え目にと心掛けてはいたが、私自身は砂糖を摂り過ぎていた。

今回、教室に通って初めて真剣に食事について考える機会と時間を持ったが、我が家では水分の摂り方に最大の問題があった事に思い至った。私も夫もコーヒーや緑茶が大好きで、そのようなカフェインの多い飲み物で水分を摂っていた。だが、カフェインの多い飲み物は、脱水を促進するために血液をドロドロにする元凶であった事に今更のように気付いた。教室でいただくドクダミ茶や三年番茶は、身体にしみ通るようにおいしかった。

 

2、教室に通い始めた頃の食事(3日分)

(5月29日)

  朝食  玄米雑穀ご飯、鮭の焼き漬け、糠漬けきゅうり

カスピ海ヨーグルト コーヒー

  昼食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、小豆カボチャ、糠漬けきゅうり人参

      蓬ドクダミ茶

  おやつ サツマイモとリンゴのクレープ、日本茶

  晩食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、鰯のフライと大根おろし

      大根菜の胡麻和え、新玉葱スライスのポン酢かけ、甘夏みかん

      蓬ドクダミ茶

(5月30日)

  朝食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、鮭の焼き漬け、糠漬けきゅうり

      カスピ海ヨーグルト、コーヒー  

  昼食  韃靼そば(薬味に青紫蘇と刻み葱)、鰯のフライと大根おろし

      新玉葱スライスのポン酢かけ、蓬ドクダミ茶

  おやつ サツマイモとリンゴのクレープ、日本茶

  晩食  玄米雑穀ご飯、あらめの煮物、新玉葱の丸ごとダシ煮

      チキンナゲット、蓬ドクダミ茶

(6月1日)

  朝食  玄米雑穀ご飯、あらめの煮物、糠漬けきゅうり

      カスピ海ヨーグルト、コーヒー

  昼食  韃靼そば(薬味に青紫蘇と刻み葱)、蕪の葉の胡麻和え

      豆腐(薬味に青紫蘇と刻み葱)、小豆カボチャ、蓬ドクダミ茶

  おやつ サツマイモとリンゴのクレープ、日本茶

  晩食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、茹でブロッコリーのおひたし

イカの刺身(つまに新玉葱スライスと青紫蘇)、ミニトマト

蓬ドクダミ茶

 

3,最近の食事

(9月19日)

  朝食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、鰯の梅醤油煮、麦茶

  昼食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、ゴーヤのオカカ和え、しぐれ味噌

ブロッコリーの胡麻和え、プルーン、麦茶

  晩食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、鰺のフライと大根おろし

      ブロッコリーの胡麻和え、きゅうりの糠漬け、プルーン、麦茶

(9月20日)

  朝食  発芽玄米ジュース

  昼食  玄米雑穀ご飯、けんちん汁、ゴーヤのオカカ和え

      鱈の卵と昆布の炊き合わせ、イチジク、黒豆茶

  晩食  玄米雑穀ご飯、フダンソウと油揚げの煮しめ、ミニ豚カツ

      きゅうりの糠漬け、イチジク、黒豆茶

(9月21日)

  朝食  玄米雑穀ご飯、鮭の焼き漬け、フダンソウと油揚げの煮しめ

      黒豆茶

  昼食  韃靼そば(薬味に葱と生姜)、豆腐(薬味にオクラと葱)

      プルーン、黒豆茶

  晩食  玄米雑穀ご飯、鰤の生姜焼き、小松菜と油揚げの煮しめ

      茄子のこんねり、きゅうりの糠漬け、プルーン、黒豆茶


 恭子から一言

この方は、ご主人思いの優等生主婦で、ご主人が脳梗塞になった時をきっかけに健康に気を付けた食事を実践なさっていました。でも、このレポートにあるように、栄養を取り入れる考え方でした。それを、排毒の方が重要だ、と気が付いてくださいました。